育児が始まる
前回の話「ネズミの被害と赤ちゃんネズミの発見!」の続きです。
結局 管理人ぼんちすとはこの3匹の仔ネズミを育てることにしました。
いまさら元に戻しても親ネズミはもう戻っては来ないでしょうし、殺生はしたくない…
ネズミは害獣です。本来は処分しなくてはいけません。しかし調べるとネズミの寿命は約2年。
ケージに入れて繁殖させないようにすれば2年の寿命を全うさせられます。これならよそに迷惑はかからないかな、なんて考えました。
また駆除対象のイエネズミ (ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)の3種は保護されている鳥獣と違って個人で飼育しても問題はないようです。
たとえば野ネズミのカヤネズミ、ハタネズミなどは保護されており飼育などは出来ませんが、イエネズミ3種は害獣指定のため保護の対象外ということです。
幸いにも発見時にはすでに毛が生え揃っていたので赤子からの世話はしなくてすみました。しかし目はまだ開いていませんでした。
ミルクを与える
どうやってミルクを飲ませるか…
幸い、以前飼っていたフェレットの看病の際に使用した「犬猫用 高栄養パウダー」が残っていたのでこちらをぬるま湯で溶きミルクの代わりに。また、動物病院でもらった給餌用のシリンジがあったので先端にゴムチューブ(自転車用)をはめて給餌器としました。(サイドの動画参考)
うまく飲ませられなくて「うえぇぇ」とかされたり。
今思えばシリンジは真正面からまっすぐ口に入れるのではなく、斜めの角度から与えれば良かったのですが、そのへんは気付かずかわいそうなことをしました。
数日すると筆の穂先に含ませて与えることが出来るとわかり、そちらの方法に切り替えました。自分の力でぐいぐい飲むことが出来るようになっていたので、この方法は楽でした。昔の水彩道具箱に真新しい筆がちょうどありました。
しかしちょうどこの頃、1匹がうまくミルクを飲めず星になってしまいました(涙)
ミルクは飲ませている間にどんどん冷めてしまうので、皿を二重にして下の皿にお湯を入れ、上の皿のミルクの温度を保たせました。
ミルクは4~5時間間隔で与えます。夜中も起きて飲ませました。
この頃にはネズミが害獣で、運が悪ければ重篤な病原菌感染の危険がありうるという事実はほぼ忘却しておりました。
(幸い、いまだに無事ですw)
2週間も経つとダイレクトに皿から飲むことが出来るようになっていました。
寝床の用意
保護したばかりの頃はまだ赤子同然です。季節も晩秋に向かっていたので暖めなくてはならず、猫が使っていたペットヒーターを保育の入れ物の下に敷きました
難しいのは適温を保つことで、これは敷物の厚さをこまめに調整することで対応しました。自分で触ってみてまあこんなもんだ、というくらいの温度です。熱くなりすぎて蒸し焼きは御免ですから。
3匹が個室になっているのは一緒にしておくとごちゃごちゃ動き周り、ミルクを済ませた奴かこれから飲ませる奴かわからなくなってしまうからです。しかしこれも10日目くらいまでのことで、2週間もしないうちにカゴをよじのぼって自由に動き回るようになり、個室は意味がなくなりました。
そして保護してから半月近く経つと、このような住処になりました。猫用ペットキャリーです。
一応固形の餌も与え始めましたが、まだまだミルクがメインです。
手を差し出せば上ってきます。手乗りネズミですね。可愛い顔をしています。
その後はケージ住まい
3週間後あたりにはこのような小鳥のケージにお引越し。しかしすぐに汚部屋に(笑)
回し車を新しくしたり、寝床を工夫してやったりしたんですがねぇ…やんちゃになってきます。
時々出して遊んであげます。しかしオシッコされますね、どこにでも。
ちなみに種類はクマネズミです。
なによりも、なによりも幸いなことに、二匹ともメスでした。
もうラッキーとしかいえません。一つのケージで一緒に飼えますから。これがオスとメスだったらケージが二つ必要になってしまうところでした。
最近のネズミ
4月 木枠にタオルをいれた寝床です。ヒノキ風呂ではありませんw
5月 6月
あまり汚部屋にならなくなりました。レディの自覚が出て来たのでしょうか(笑)
この二匹、実はそれぞれ後脚が片方ありませんでした。3本の脚で上手に飛び回っています。でも野生に帰したら3本脚は不利です。たちまち捕食されてしまうかもしれません。最期まで飼うことを決めたのはそんな理由もあります。
(3本脚の理由は不明です。親に食われたとか、親が食べていた餌のせいかもしれません…)
野生のネズミにはダニがいるので注意
ネズミに限らず野生動物にはダニがついているものですが、我が家のクマネズミも保護したときにはイエダニが付いておりました。ダニにくわれると人獣共通感染症にかかる可能性もあります。
幸いミルクを与えているうちにいなくなりましたが、今でも倉庫に入ると妙な痒みが…(笑)
やはり野生動物の飼育にはリスクがあります。我が家の場合特に病気にも感染せずラッキーでした。
この記事はイエネズミの飼育を勧めるものではありません。
以上、ご覧のような形でなんとかクマネズミの飼育を続けております。
仔ネズミの時から育ててきたので可愛いものです。
ネズミも一つの地球上の同じ命。
縁あって出会ったならば、命はなるべく奪いたくないものですね。
また倉庫で増えているんでしょうか…
2年後の現在