一般的淡水魚ならアクアポニックスに向く
アクアポニックスでは野菜ベッドで育てる作物の肥料となる栄養素を供給する素として、飼育水槽で飼う魚の働きが重要になってきますが、大規模な商業的アクアポニックスシステムを稼動させるのでなければ、一般的によく飼われている魚種で十分間に合うと思います。必要なのは魚のフンですから(笑) 普通の家庭なら金魚がよく飼われていると思います。アクアリスト(水生生物の愛好家)は自分が今飼育している魚で野菜も作れるなら挑戦したい方も多いのではないでしょうか。
今現在の我が家の飼育している魚はアクアポニックス1号機、2号機ともに金魚と淡水小魚です。前年の夏に川魚の稚魚が群れをなして泳いでいたところを網ですくってきました。1、2号機とも5~60匹の3cm前後のサイズの小魚が入っています。また5cmほどのコメットが2号機に3匹います。小魚はオイカワ、ハヤなどだと思います。それ以前にも鮒 鯉 ティラピア チョウザメを飼育していました。残念ながら死んでしまうものもいるのですが、魚が成長して水槽のサイズに合わなくなってきたら庭の池に移してそちらでのびのび暮らしてもらいます。アクアポニックスでは魚は従業員ですね。池に移るのは転勤、退職といったところでしょうか。
【現在の従業員】
泳ぎ回っていてはっきりとした画像が撮れませんが小魚達が50匹以上はいます。下の画像はオイカワ、ハヤ、カマツカたち。近くの用水路などで調達できて丈夫。よく跳ねるので水槽に蓋や網は必須。
雇用可能な魚種
過去に飼っていた魚たちとともにご紹介します
【鮒】 巨大化して水槽に合わなくなり庭池に左遷(笑) 丈夫で地味だけど働き者。管理人の住む地域は田舎にもかかわらず、他県から(通販で)お取り寄せ。今は池で30cm超に成長し引退生活中。
【鯉】 優良従業員。同じくすぐ巨大化が難点。庭池に左遷後は観賞魚として活躍。
【金魚】 大飯喰いで糞もたっぷり供給 ある意味適任者 しかしやはり巨大化し易く左遷ぎみ。
【チョウザメ】 チョウザメは水族館にいるイメージですが、淡水魚なので一般家庭でも水槽で金魚感覚で飼育できるのです。ただし口が下向きについているため餌は沈むタイプのものを与えます。我が家もチョウザメ飼育をしておりますがすぐ大きくなるため、ペット的な存在になり食用にする気が起きなくなります^^
【ティラピア】 ティラピアはアフリカや中近東原産の熱帯魚なので冬はヒーターが必要になってきますが、海外や商業的アクアポニックスでは一般的な魚種です。日本は要注意外来生物の対象になっていて、きれいな観賞用ティラピアはたくさん販売されていますが、食用に向くナイルティラピアやカワスズメと呼ばれる種類は繁殖業者のみが扱っていて一般には販売されていないようです。アクアポニックスは飼育の魚も食用できるのがアクアポニックスたる特徴の一つですので、食べられる魚種を飼うのも有りです。ティラピアは丈夫な魚ですので将来の食糧危機には重要な食材のひとつになるかもしれません。白身魚で味は淡白とのこと。東南アジアでは一般によく食べられている魚です。
食べられる魚を考えているならティラピアが良いかと思います。
同じ白身魚で似たような魚にブルーギルもいますが、あまり食用には向きません。
【アクアポニックス雇用はされなかったがたぶんいけるだろう種類】
【亀・スッポン】 陸に上がって日光浴出来る場所を作ってあげられれば亀でも良いですね。このスッポンは大き過ぎ!噛まれる危険を伴うので子供のいる家庭にはスッポンは危険かも。でも顔がかわいい。
【ウナギ】 糞の供給量を考えると複数匹必要ですが、ひとつの水槽に数匹入れると仲が悪いので居心地が悪くなるようで脱走しまくります。一匹だけで規模の小さなアクアポニックスなら良いと思います。スッポンと同じく顔がかわいい。
従業員調達時における注意点
アクアポニックスを始めるにあたってもともと飼育している魚がいれば良いのですが、いない場合は手に入れなければなりません。
1. 店や通販で購入
2. 河川、用水路などでスカウト
2.の場合お子さんと川や用水路、池などに出かけるときは十分注意が必要です。
- 子供から目を離さない
- 深いところにはまらないようにする
- 滑りやすい場所でころばないようにする
- 熱中症に気をつける
- 魚を捕り過ぎない
- 河川によっては入漁証が必要になるので事前に漁協HPなどで確認 ※小魚類は対象外のものが多く入漁証も不要で、シーズン(だいだい3月から9月)の制限も無く、中学生以下無料などの記載があったりします。しかし、ウナギ、鯉、ウグイ、鮎、虹鱒、アマゴなどの放流魚もうっかり釣ったりすくったりしてしまうかもしれません。漁協の人に取締られないように気をつけましょう。(だいたいアマゴとか釣りたくても釣れませんが…笑)
- 魚を持ち帰る際には元気なまま連れ帰る工夫
- 傷や病気の魚は避ける
- 日本淡水魚を手に入れるつもりがブルーギルばかり捕れてしまうショックに耐えられる精神を持つ (※ブルーギルもアクアポニックスで働いてくれます)
以上のことに気をつけて、アクアポニックスシステムの重要仕事人として迎え入れてやって下さい。しかしわざわざ川まで出かけて魚の調達なんてめんどくさいという人もいます。そういう人はアクアショップやホームセンターのお魚コーナー、通販での購入という手があります。
水辺は危険な場所もありますから、お店で購入するのが良いかもしれません。
国内では購入が難しいティラピアが購入できるお店→ さかな畑 さん