前回 ② 植物を成長させる波長 の続きです。
何事も憶えるには自分の手で書いて整理してみれば良いですね。
↑の図は自分で作ってみました。周波数区分の数値は光マップ(製作・著作 文部科学省)を参照にしました。
植物が必要とする光の波長
植物は水と光(+肥料)で成長するわけですが、その光とは電磁波であり、上の図の七色のスペクトルで抜き出してある可視光線の波長領域の電磁波を植物は成長のためのエネルギーとして利用するのですね。
この帯域は波長の長い赤外線側の700nm(ナノメートル)から、波長の短い紫外線側の400nm辺りまでの範囲で、可視光線と呼ばれる七色の虹の光の世界ですね。この七色の光が交じり合ったり、吸収されたりして人間もこの世の景色として視覚から認識している世界のことですね!
植物は光合成を行います。
この光合成は上の図のグリーンの線の範囲の波長(光合成有効放射・PAR放射・400~700nm)を利用しています。しかしこの波長を同じ効率で利用しているわけではなく、赤い線で示された数値の部分と青い線で示された数値の部分(それぞれのピーク)の波長が特に有効的に利用されています。
●赤線の660nm近辺で活性化(発芽促進・赤色効果)し、暗赤線の730nm近辺で不活性化(促進抑制・遠赤色効果)を特徴とする弱光反応。
●青色の420nm周辺を有効とする強光反応。
この波長がフィトクロームという色素の働きを介して発芽や開花、茎の伸長、葉の展開作用等の質的変化を誘起するのだそう。
この反応を光形態形成(ひかりけいたいけいせい)と呼ぶそうです。
また光合成にはクロロフィル(葉緑素)という色素の反応もあり、下の図のような吸収スペクトルがあります。またまた文部科学省HPより参照↓
クロロフィルの反応は赤色(660nm近辺)と青色(450nm近辺)に二つの吸光合収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効。
植物の葉が緑に見えるのは白色光(太陽光)が葉に当たると、上記の理由で赤と青の色が利用されてしまい、残りの光に緑が多く残るから、だそう。
植物育成ライトがキャバクラ色な理由がここでやっとわかりました!
赤と青の色が混ざると紫(ビンク)に見えますね。
育成ライトは前回の記事で紹介したように蛍光灯、LED、HIDランプ 等種類がありますが、どれもそれぞれ特徴ある波長を出して、植物の生育を促すことに特化したランプだったわけですね。
そして今は植物の種類、生産規模、形態、目的などにあわせて最適なライトが研究、販売されているわけですね。
実はキャバクラライト(※LED育成ライト)を買う前に、こんな色のライトもなぜか購入してしまっておりました。植物育成用とあり、なんだかすごく育ちそう!的な勢いでよく調べませんでした。この一連の記事を書いている間に、このライトはまったく的はずれのライトであったと判明(笑)
ぼんちすとのアクアポニックスは屋外で栽培しておりますが、屋内で小さなアクアポニックス栽培をする場合は、育成ライトを使用することで野菜作りがとても効果的になりますね。