① 植物を成長させる波長 の続きです
植物工場が普及して行くにしたがって、室内で植物を育てるのに最適な育成ライトも一般的になってきました。通販でも業務用、一般用と多種のライトが販売されております。育成ライトは天候や場所に左右されず、植物の成長に必要な光エネルギーを供給出来る優れ物です。しかし種類が豊富な一方、購入する際にはどれを選んでよいのか迷ってしまいます。
植物栽培の人工光源の種類
●LED(発光ダイオード)【球型 棒型 紐状 パネル型など】 熱量が少なく植物の間近に設置可能なため植物工場などの多段量産に効率的。使用電力が少なく経済的。照射範囲が狭いので満遍なく光を届けるためには数が必要。植物の光合成に有効な赤色(660nm近辺)と青色(450nm近辺)の波長を出すLEDを組み合わせることで効率良く成長させられる。有効波長を含めた総合的な白色系、630nmで菊の花芽分化抑制に特化させた赤色系など、目的用途によって形状も色彩もさまざま。
●蛍光灯【球型 棒型など】光が自然光に近い白色なのでリビングや店舗に向く。葉物の栽培に向く (花や結実ものには不向き)。LEDタイプよりは照射範囲が広い。熱量が少なく葉焼けの心配がない。すでにある自宅の電気スタンドや白熱球の口金をそのままこの植物育成蛍光灯に転用できるので経済性も良い。
●HIDランプ【メタルハライドランプ・高圧ナトリウムランプなどの高輝度放電ランプ】金属元素の混合蒸気中の電子遷移による発光を利用した高輝度、長寿命の電球ランプ。パワーが強力なため光量が多く、熱量も高いので植物からはある程度の距離が必要。反射板(リフレクター)と安定器がセットで必要。高価。
生長期用MHランプ (葉物野菜やハーブ類の成長用、メタルハライドランプ 白、青系色)
開花期用HPSランプ (開花・結実植物用、高圧ナトリウムランプ 黄色系色)
の二種類があり、栽培規模や用途によってワット数とともに使い分ける。
ぼんちすとが前回の記事で購入したライトはLED型で、赤と青の波長を組み合わせた色彩のライトだったため、あのようなキャバクラ風だったわけです。w
買うなら白色のLEDか蛍光灯タイプにすれば良かったのです。もったいないことをしました。
光には植物の成長をうながす特定の波長がある
理系の方、農業生産や関連事業にかかわっている方なら当然の知識かもしれませんが、まったくの素人ぼんちすとにとって、植物は特定の波長が作用することで成長するなんてこと、詳しく知りませんでした…。
いや、光合成という言葉までは知っていても、その植物の光合成と特定電磁波の関係なんて、この年まで長いこと知らずに過ごして来ました。爬虫類を飼っていたときなどは専用のUVライトが必要とか、その程度の知識です。
しかしアクアポニックスを始めると、やはり野菜と光の関係は最低限知っておかなければならないなと痛感します。
でなければ、無駄な買い物をする…
以下の解説は管理人ぼんちすとの備忘録です。科学や物理は苦手ですがアクアポニックスに必要な知識なので、無意識の拒否反応と戦いつつ調べました。
(まとめたとはいえ素人の限界です。あまり参考にならないと思いますが、気が向いた方はご覧下さい)
光とは電磁波のことである
中学や高校の科学なんてとっくに忘れてましたから思い出すところからです。
文部科学省が発行した光マップが家にあります。これを見るとすべてが一目瞭然! のはずが、情報満載のサービスによって文字が小さすぎて何書いてあるかよく読めません。
ポップアップで読んでいただけたらと思ったのですがこれ以上大きく載せられませんでした。
(内容をご覧になりたい場合はamazonで500円弱で売ってます)
光マップ=電磁スペクトルです。↑と↓のマップで左から右にかけてあらわされている帯域のことです。表の左側が電磁界とも呼ばれる周波数(振動数)の低い帯域、右に行くにしたがって周波数が高くなり、エックス線・ガンマ線と呼ばれる高周波帯域が右側になります。
電気代払ってないけど関西電力HPにわかりやすい図があったので参照させていただきます。
●電子が加速度を持って動くと、進行方向と直交する方向に電場と磁場が交流しながら振動する電磁波が発生し、空間を波として伝わる。
●電磁波をあらわす単位はHz(ヘルツ)とm(メートル)があり、Hzは1秒間の振動数、mは一回振動する間に真空中を進む距離のこと。 Hz→周波数 m→波長
●電磁波の速度は周波数にかかわらず光の速さ(30万km/秒)なので、波長は周波数によって決まってくる。周波数が高くなってゆくと逆に波長は短くなってくる。
私たちの世界は電磁波が満ち溢れているんですねえ。送電線の中を50Hzや60Hzの電磁波が流れていても見えないし、レントゲンのX線や宇宙から降り注いできているγ線も見えません。
しかし!目に見える電磁波もあります、可視光線です!
植物の成長に必須なのは水と光(+肥料)です。
その光はつまり電磁波であり、上のスペクトル表からいくと名称の光の帯域のことです。遠赤外線から紫外線までの帯域を一般的に我々は光と呼び、虹の七色で表される色彩の領域を可視光線と呼んでいます。
私たち人間がこの光あふれる世界を認識できるのは、網膜が可視光線の波長をキャッチして脳が認識してくれるからなんですね!この光の帯域は波長によって性質に特徴が出るため、周波数Hz(ヘルツ)ではなくnm(ナノメートル)の単位を使います。
参考
波長の単位:
1 Km (キロメートル)=1,000m
1 m (メートル)
1 mm (ミリメートル)=0.001m
1 μm (マイクロメートル)=0.000001m
1 nm (ナノメートル)=0.000000001m
1 pm (ピコメートル)=0.000000000001m
振動数の単位:
1 Hz(ヘルツ)=1秒間に1回振動
1KHz(キロヘルツ)=1秒間に1,000回振動
1MHz(メガヘルツ)=1秒間に100万回振動
1GHz(ギガヘロツ)=1秒間に10億回振動
1THz(テラヘルツ)=1秒間に1兆回振動
1PHz(ペタヘルツ)=1秒間に1,000兆回振動
1EHz(エクサヘルツ)=1秒間に100京回振動
γ線=10pm(ピコメートル)=30EHz(エクサヘルツ)=1秒間に3000京回振動(3×10の19乗Hz)
だそうですw 指が足りないよっ!