みんな大好きミルワーム
ペットの飼育を経験した方ならミルワーム(ミールワーム)はご存知のはず。
ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫で、鳥類や爬虫類、両生類、魚、哺乳類たちが大好きなおやつや餌になるイモムシです。
脂肪やたんぱく質が豊富ですが、脊椎動物に与える餌のリンとカルシウムの通常の理想比率1:1.5に対して、ミルワームの比率は14:1ということで、主食として与えるには栄養バランスが悪いそうです。
ですのでおやつ的な位置付けとなっています。しかし我が家で過去飼育してきたウズラたちはこのおやつミルワームが大好き!ホームセンターで買って来た1ケースがあっという間に無くなってしまうのです。まあ当時、最高20羽近くおりましたので仕方ないのですが。
カラのケースです。50個以上は購入しています。金額にするとバカになりません。
その後自家繁殖に切り替えてコストはだいぶ下がりました。
もっと早く自家繁殖しとけば良かった…
繁殖に必要な一式
● プラの引き出し式ケース
● オーツ麦
● 最初の投入分のミルワーム1ケース
ケースに床材としてオーツ麦を2cmほど敷き詰めます。
市販のミルワーム1ケースをすべて投入、以上です。
この場合、ケース内にすでに成虫になってしまっている個体が多い商品のほうが、移し代えた後早く交尾してたくさん卵を生み、孵る幼虫数が多くなります。(死んでいる成虫はダメですが、死んでいるのか単にひっくり返ってじっとしているのかわかりずらい虫です)
幼虫の期間が長い虫です。蛹になっても与えられますが、成虫はまずいらしく食べません。
市販の床材は小麦ふすまが多いようですがうちの場合オーツ麦にしました。小麦ふすまもオーツ麦もミルワームの餌にそのままなりますので、後はほったらかしておくと忘れた頃にびっくりするほど赤ちゃんミルワームが増えています。
餌としてオーツ麦ばかりではなく、台所から出た野菜くずなどを半乾燥させてケースに投入しておくとそちらももりもり食べます。必ず50%以上は水分を抜いてから与えないと野菜もオーツ麦の床もカビてしまいます。ミルワームにはこの野菜の水分だけで十分なので別に水を与えなくて良いのです。20~25℃前後の適温と標準的な湿度の場所にケースを置いておけば、あとは勝手に増えて成長し楽チンです。冬場はヒーターなどで暖かく保てば繁殖し続けます。
引き出しはぴったりと閉めず、空気が通るよう2cm位開けておきます。引き出しの上部側面などに小さな穴を開けておくのも良いですが、たまに幼虫が穴から脱走していることがあります。
数ヶ月も経つと今度は野菜の食べカスや幼虫の脱皮の皮、成虫の死体が増え、床材もさらさらの細かいミルワームのフンに変わっていきます。
そうなってきたらメンテナンスです。
メンテナンス
幼虫が少なくなり、成虫やゴミが増えてきたら床材を新しくするために、
中身をザルにかけ、
何回かザルの目のサイズを変えたり脱皮の皮を吹き飛ばしたりすると、
けっこう幼虫が残っていたりします。
こんな小さな幼虫も混じっているのですが、
ザルの目から下に落ちてこのようにミルワームのフンの方に混じってしまっています。卵もたくさん落ちているはずです。
新しく床材を敷いたケースに、上の幼虫とフンの一部をもどします。これで小さな幼虫や卵ももどります。
全部戻したら意味ないので一部もどすだけでも大丈夫です。目に見えなくても相当の数の卵が混じっているはず。
そしてミルワームのフンは肥料になると聞いたこともありますが、外のプランターなどに少し撒いても良いかもしれません。しかし卵や幼虫も混じっていますし、発酵させてない動物質のフンなので大量使用は控えた方が良いと思います。
一般的に流通している市販のミルワームはチャイロコメノゴミムシダマシという名前の甲虫ですが、古来より日本に生息していた種というわけでもない、外来生物かもしれない、気がつけばペットの餌として養殖され流通していた、という感じらしいです(笑)
ですのでメンテナンスで出たゴミや成虫、幼虫はビニール袋に密封し環境に出ないよう燃えるゴミとして出した方が良いと思います。
家族に虫嫌いがいると この自家繁殖計画は頓挫します…
このような3段式の飼育ケースにして、1段づつミルワームの成長をずらして繁殖させると、ちょうど良いサイズのミルワームが一年中供給出来ます。