ぼんちすとのアクアポニックス 魚で野菜栽培 ぷちプレッパーブログ

ホタルの飼育

ホタルの養殖に挑戦してみた ②

投稿日:2019-07-26 更新日:

ホタルの1齢幼虫と餌のタニシ

6月19日に届いた幼虫は約1.5mmから2mm程。あまりにも小さくて、幼虫なのかゴミなのか分からない時もあります。無事終齢幼虫まで大きく育てる事が出来るかと不安になりましたが、用水路で採取してきた↑↑↑このようなヒメタニシを、殻を取り除いてから与えると、けっこうたくましく喰らいついてきます。200匹程いるらしいですが、半分でも生き残ってくれたらいいなぁ。

6月25日の幼虫です。↑↑↑食後は手持ち無沙汰にぷらぷらしていたりしてかわいいです。6月30日の幼虫です。ちょっと大きくなったかな?

ホタルの餌の調達に苦労する

当初ホタルの餌は近くの水路にたくさんいるヒメタニシを調達してゆく予定でした。
しかし…貝が思っていたほど採れないっっ!
以前はたくさん見かけたのに!

予定が狂いました。それに生活雑排水や周囲の畑の農薬、除草剤も流れ込む用水路は水質的にもホタルの幼虫の餌として与えるのが不安になって来ました。

そこで念のためホタルの幼虫の餌の王道、カワニナを購入しておくことにしました。まとめ買いして一定量を飼育しておく方法がホタル愛好家の間では通常のようです。

ということで購入しました!

多過ぎました…

そもそも販売重量の500gとか1Kgとか、2Kgとか…
カワニナの分量の想像がつかなかったのです。何度も注文しなくても良いようにと思い3Kgにしたのが間違いでした。この大量のカワニナを飼育するためには、まず飼育場所を用意しなくてはなりません(泣)1号機(こちらの記事)に作った「カワニナプール」と玄関の箱の中そしてアクアポニックス3号機に相当するジャンボックス400ℓ容器内に2箇所の箱(フロート式)。

とりあえず4箇所に分割しました。
玄関以外はアクアポニックスシステムを利用した循環型の飼育環境なので、魚と同じように貝も飼えるかなと思ったのですが…どうでしょう。

ただ、貝類は弱アルカリ性の水質でないと殻が溶けやすくなるようなので、この先水質管理で苦労しそうです。全滅しないように4箇所に分けましたが、システムの中に大量に貝を飼育することは魚たちに影響が出るのでしょうか?はたして無事飼育し続けることが出来るでしょうか。

ぼんちすと
すごい大量だから餌の適正量とかわからないし…自信ない…
家の者A
どうして何でも無計画に押し進めるんだっ!ばかものっ!

ホタル以前にカワニナで挫折しそうです…

7月の幼虫

7月2日の幼虫です。
脱皮を済ませた幼虫も出てきています。ひと回り大きくなって黒っぽくなっています。

脱皮の足場や隠れ場所として、植木鉢の欠片を入れてあげました。たまには外に出して短い時間ですが陽に当てます。(水温に注意です!)

7月16日の幼虫です。またまた大きく成長しています。一番大きな個体で8ミリ程になっていますが、まだ小さい個体もいて成長に差が出てきています。

ぼんちすと
小さいと思っても脱皮したカラだったりして良くわからんのよね
家の者A
無理せず老眼鏡を使うように

カワニナ飼育に早くもトラブル

家の者A
なんだなんだっ!早くも絶滅かっ!

16日、1号機の野菜ベッドに作ったカワニナプールの貝の殻が白くなって溶けてきているものが見られます。つまり飼育水のアルカリ度が足りない→殻の成分の炭酸カルシウムが溶け出した、という解釈で良いのでしょうか?

対策としてサンゴの粒を投入しました。(すべてにおいて対症療法)しかしわが家のアクアポニックス栽培は
野菜は弱酸性、魚は中性がベストなので中間をとって適正値pH6.8
と決めていただけに、このカワニナのためのアルカリ化対策は通常ですと痛いところですが、幸い今の1号機はたいした野菜なし!
魚たちも多少のpH変動は耐えてくれると思いますが…

おとと
ちょっと待って!それよく考えたの?

 

さっそくオイカワ死す 計6匹…

心配していたトラブルが発生したようで、さっそく1号機に犠牲者が出ました(泣)
よく見ると野菜ベッドのカワニナコーナーに殻が空っぽの死貝が目立っていました。

この出来事について検証してみました。

中身が腐敗した貝が大量に発生
この腐敗した成分は魚のフンや餌の食べ残しと同じアンモニア成分(NH3)
アンモニアの発生とともに酸素も消費され、溶存酸素量も少なくなっていた?

※因みに貝などが腐ると猛烈に凄まじい腐敗臭がしますが、この臭いはたんぱく質が変性することによって生じる揮発性塩基窒素という成分とのことです

サンゴ粒投入のせいでアルカリに傾いた飼育水になってしまったことで、かねてから大量に放出されていた死貝のアンモニア(NH3) がいっきに毒性を持った。

【鉄則】弱酸性の飼育下ではアンモニア成分(NH3)はイオン化(NH4+)して比較的毒性が少ないが、アルカリの環境では一気に猛毒となり魚の大量死をもたらす!

ぼんちすと
まさかカワニナの奴!あんなにすぐたくさん死ぬ奴が出てくるとは思わなかったんだよぉぉ

通常だと野菜ベッドの用土の中にいる微生物が直ちに分解を始めて無毒の硝酸塩にしてくれるのですが、カワニナ飼育のためにベッドの砂利(用土)を減らして容器を埋め込んだことも災いして、大量のアンモニア成分が処理し切れなかったのだと思います。貝のためにサンゴ粒を投入して水質を無理に弱アルカリ化させたのが一番の間違い。そして飼育水中の酸素も大幅に不足していた可能性大。

おとと
ぼんちすとのせいで6匹の仲間を失ったわ!

水質を検査したところ、
pH 7.0  EC 0.73
亜硝酸塩(NO2 ̄)  1mg    △
硝酸塩(NO3 ̄)    100mg   △
GH (総硬度)                 8°dH   ○
KH (炭酸塩硬度)   6°dH    ○

という数値でした。

pH7.0 だったのですが…この惨事。

カワニナプールに手を突っ込んで混ぜ混ぜしたとき腐敗臭があったにもかかわらず、毒性が出ることに考えが及ばぬどころか、上記の鉄則を忘れてしまっていた自分がなさけないですね。

一応飼育水を綺麗にする麦飯石を投入してみたりしたのですが、焼け石に水だったようです。炭を投入して吸収させるのも良いそうです。しかし一番大事なのはやはりpH管理でアルカリ化に注意することでしょうか?

とりあえず対策は生き残った魚は2号機に移し、強力なポンプを設置して飼育水に空気(酸素)を十分に送り込むようにしました。浄化槽用の強力ポンプがありましたので一気に数ヶ所に空気を送り込み、魚たちが泡に翻弄されるほど大容量の空気が供給出来ました。最初は充分な溶存酸素量が確保出来ると喜んだのですが、

ぼんちすと
しまった!強いエアレーションは二酸化炭素が抜けやすくなってアルカリ化しやすいんだった!!

と、気付いてパワーを弱め、タイマーで稼動時間を制御しました(汗)

貝の殻の維持には弱アルカリ、魚は中性、野菜は弱酸性、酸素供給は適正に…
ううむ…難し過ぎ!
この辺を上手く管理して繁殖を成功させている人は「達人」ですね。

今回の失敗を忘れることなく今後も気をつけて飼育を続けて行きたいと思います。

家の者A
鉄則さえもすぐ忘れるその頭をまずなんとかせんと!

 

7月24日 成長した2齢幼虫たち

だいぶ成長しました。丸い石のようなものは「酸素の出る石」です。1cmくらいのサイズの幼虫もいます。

餌は1日置きくらいにカワニナの剥き身を与えます。数時間で餌から離れるので剥き身の残骸は回収して水が腐敗しないように気をつけています。

今のところ順調ですが、これから梅雨が明けると気温も高くなってくることと思います。

慎重に飼育していかなければ…

気が抜けません!

→ ホタルの養殖に挑戦してみた ③ につづく

 

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