システムの循環が悪くなった
野菜ベッドも1年、2年と連続して栽培を続けると作物の根が張り、根が残されたまま収穫を繰り返すことでベッドを通過する水の流れが悪くなってきます。
野菜ベッドの用土の隙間に根がびっしり。浮き草までちゃっかり定住。
こうなるとサイフォンシステムに影響が現れ、規則正しい流れのサイクルにならず、ずーっと水が流れっぱなしになります。
常に根が水に浸かっている状態となるので根に必要な酸素が供給されなくなりますし、根腐れも起こりやすくなり、野菜の成長が悪くなります。苗が大きく成長しなくなったり、虫が付きやすくなったり病気にもなってきます。
そもそも野菜ベッドに使用する用土は多孔質のハイドロボール(粘土を丸めて高温で焼いたもの)なので、野菜ベッドに敷くと粒と粒のあいだに隙間ができます。この隙間をスムースに水が流れてゆくことで排出パイプに水が集まり一気に排出されて行きます。この隙間に根や魚の糞、微生物のかたまり(ヘドロ)、ゴミなどが入り込むことで流れが悪くなり、サイフォン原理が起こりづらくなってしまうようです。
管理人のアクアポニックス2号機もこの夏、サイフォンシステムが働かず、しばらくの間だらだらと水がただ流れ落ちているだけでした。
しかし、季節は真夏!
熱中症になりそう…
そんな理由でなかなか野菜ベッドの改善に取りかかれませんでした。
サイフォンが上手く動かなくなってから約2ヶ月、とある夏の終わりの日、やっと重い腰をあげて2号機野菜ベッドのリニューアルに取りかかりました。
循環不良で野菜に悪影響が
放置してしまった2号機。シソは虫食いが目立ち、トマトは枝と葉ばかりが伸び放題。実は付かず(笑)
植えた苗は先祖返りでもしたの?というくらいトマトらしからぬ風体になっていました。元は黒トマトだったのですが…。
前年に大豊作だった万願寺唐辛子の苗はろくに育たず、病気っぽいまま。 これはもう撤去して新装開店するしかありません。
用土の取り出しから新規投入まで
野菜ベッドの用土をほじほじ…なんたる根っこの量!
これでは水の流れが悪くなるわけです。
取り出した用土は10Lバケツで6回ほど、約60Lでした。
この取り出した用土を再利用する場合は、ヘドロやゴミを洗い流します。ここで大事なことが!
従業員がいます! ミミズです!
アクアポニックスは生態系の凝縮のような世界です。魚と野菜で成り立っているのですが、ミミズは培地のなかで枯れた根や魚のフンを食べ、ベッド内を動き回ることで隅々まで栄養を行き渡らせる働きをするので、魚と同じようにシステムの中では大きな役割を持っています。多分100匹ほどはいたようですが、見つけ次第とりあえず1号機に移しました。
この用土の洗浄はけっこうな労力で、屋外に広めの流し台も必要になってきますし、細かい根っこなどのけっこうな量のゴミが排水に詰まる可能性もあります。
無理に再利用せず、庭の土に還し、野菜ベッドには新しい用土を投入しても良いと思います。
管理人は体力がないので今回再利用はあきらめ、新しく用土を購入することにしました。
容器の隅に藍色の付着物が!
新しい用土を投入する前に空にした野菜ベッド容器をきれいにお掃除したのですが…
角(かど)に藍色の汚れが!!
これは水槽で魚を飼っているうちに底に敷いた砂や下部のガラス壁によく現れるシアノバクテリアと呼ばれる藍色細菌と同じものと考えて良いのでしょうか?
あの、苔の様だけれど苔の仲間ではない海苔のような厄介者のアレことです。
(昔の呼び名は藍藻)
しかし容器の底部角(かど)に発生しているということは、汚泥のたまった光の届かない酸素も不足していた場所ですから、藍色細菌とは違うのかもしれません。
調べてみると藍色細菌は、
光合成によって酸素を生み出す酸素発生型光合成細菌である
とありますので、この角に発生した紺色のものは別の生物かもしれません。
魚を飼っている水槽でも、酸素が行き届かない嫌気性細菌が発生するような場所の砂はよく硫黄臭かったりしますよね (うちだけ?)。
まさか硫化水素でも発生していたのでしようか(笑)
調べたところ嫌気環境の場合、硫化水素やメタンが発生する可能性があるようです。根詰まりと容器の角という場所のせいで酸素が届かなかったようです。
長くなってしまったので続きは→ ② 根が張りすぎた野菜ベッドのリニューアル