ぼんちすとのアクアポニックス 魚で野菜栽培 ぷちプレッパーブログ

アクアポニックス

硝酸態窒素の定期的なチェックをしよう!

投稿日:2018-12-09 更新日:

君はブルーベビー事件を知っているか

家の者A
デスラー総統?

ブルーベビー事件とは、1950年代から1965年頃にかけてヨーロッパやアメリカで井戸水を使って作られたミルクを飲んだり、裏ごしされたほうれん草の離乳食を食べた乳児がメトヘモグロビン血症となり、チアノーゼを起こして次々と亡くなったなどの症例が相次いだことからこう呼ばれました。メトヘモグロビン血症を起こし、身体中の臓器が酸素欠乏状態に陥ってしまうので、赤ちゃんの肌が青紫色になってしまうのです。
メトヘモグロビン血症は、血液中のヘモグロビンがメトヘモグロビンに変化して酸素運搬能力を失う症状です。

原因は、離乳食に使われた野菜やミルクに使われた井戸水の 硝酸態窒素濃度が高かった からです。乳児は大人と違って胃酸の分泌が少なく、胃内のpHが高いため、胃内で硝酸塩から亜硝酸塩が生成され、これが血液中のヘモグロビンと結合してしまうからです。しかもミルクはいったん消毒のため井戸水を煮沸してから与えるため、これが硝酸態窒素を濃縮させてしまうのです。日本でも同じく井戸水が原因の症例があります。

また硝酸態窒素濃度の高い牧草を食べてしまった牛が中毒を起こして死亡する例が報告されており、この場合牛は反芻動物であるため、胃の中で硝酸態窒素が亜硝酸に変わってしまうメカニズムによるためのものです。

ぼんちすと
牛も青くなるのかな…
家の者A
牧場主が青くなったと思う

硝酸態窒素とは

野菜を栽培していて、「この葉っぱの色は薄いな~」「この葉っぱの色は濃いな~」
などど感じることはありませんか?
たとえば店先でほうれん草を購入するとき、とても色の薄いものと、黒々とした暗緑色のほうれん草が並んでいたりします。品種によってももちろん違いますが、もしかしたらその黒々としたほうれん草、肥料成分である硝酸態窒素が高い濃度で残留しているかもしれません。

ぼんちすと
そんな高い濃度が残留している野菜で青汁作っちゃったら…
家の者A
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

硝酸塩と窒素について

  • 硝酸塩を構成する原子の一つが窒素(N)です。
  • 窒素は、空気の成分の約80%を占める無色、無味、無臭の気体として存在しています。水に溶けにくく、常温では化学反応を起こしにくい性質を持っています。自然界では、アンモニウム塩・硝酸塩として広く存在し、有機化合物、特にタンパク質の重要な成分となっています。
  • 窒素は、自然界に、種々の化合物となって存在します。そして、一か所にとどまらず、大気、水、土壌、生物の間を、姿を変えながら私たちの周囲を循環しています。これを窒素循環といいます。
  • 硝酸塩とは、硝酸ナトリウム(NaNO3)や硝酸カリウム(KNO3)など、硝酸(HNO3)の水素イオン(H+)が金属などの陽イオンと置き換えられたものです。
  • アンモニウムイオン(NH4+)又はアンモニア(NH3)の形をした窒素をアンモニア性窒素(又はアンモニア態窒素)、硝酸(NO3-)の形をした窒素を硝酸性窒素(又は硝酸態窒素)と言います。

 by農水省

※硝酸態窒素≒硝酸塩≒硝酸イオンであり、厳密にはまったく同じ意味ではありません

野菜栽培では肥料として、窒素、リン酸、カリウムが植物の3大栄養素として畑に施されます。このうちの窒素成分が土壌中の微生物によって硝酸態窒素となり、野菜が吸収、生育していきますが、吸収される硝酸態窒素などの量が多すぎたり、日光が十分に当たらなかったりすると、吸収された硝酸態窒素などがアミノ酸、タンパク質に合成されずに植物体中に貯まると言われています。

畑に肥料を与えすぎると、利用しきれなかった硝酸態窒素が植物の中に高濃度に残ってしまうことに加え、土壌中にも残留し雨で地下に浸み込んでいきます。それは地下水に混ざり深刻な汚染を起こします。井戸水、河川、池、湖も同じく汚染され、高濃度の硝酸態窒素が検出される事例が起きています。

このような状況により、井戸水を利用したことによるブルーベビー症候群の発生、牧草の硝酸塩高濃度蓄積による牛の中毒死などが起きてしまったのです。

ぼんちすと
そういえばミネラルウォーターからも近年検出されたりしとるな

硝酸態窒素の摂取は乳児にメトヘモグロビン血症を起こすだけでなく、体内細菌と胃酸による反応でN-ニトロソ化合物という発ガン物質が発生することも知られています。硝酸態窒素が体内で亜硝酸性窒素に還元し、アミンなどの有機物と反応するためです。このためガンの発生を高めるという疫学的結果の報告もあります。

家の者A
とりあえずデスラーがメトヘモグロビン血症だったということまではわかった

(違います!)

 

日本の野菜の含有量とEU基準値を知る

そもそも硝酸塩の含有量が日本の野菜ではどの程度検出されているのか、また安全とされる基準値があるのならどの位の数値なのかを知っておけば、自分が収穫した野菜や店頭で購入した野菜も測定してみることで目安がつき、安心につながります。

こちらのデータは農水省HPの「我が国の主な野菜の硝酸塩含有量」の表の抜粋です。※ 硝酸塩濃度です。硝酸態窒素濃度ではありません

日本の野菜はEU基準値より数値の高いものもあれば、低いものもありますね。ところで、人間にはどのくらいの許容量が設定されているのでしょうか?

1995年、 FAO/WHO合同食品添加物専門家会合は、 一日許容摂取量(ADI)を体重1kg当たり0~5mg(硝酸塩として。硝酸イオンとしては0-3.7mg。)と推定したそうです。しかし野菜中の硝酸塩がどの程度血液に取り込まれるかのデータが得られていないことから、野菜から摂取する硝酸塩の量を直接 ADIと比較することや、野菜中の硝酸塩について基準値を設定することは適当ではないと言っています。

大人や子供、また個人によっても代謝能力は様々ですし、摂取後の体内での影響がよくわかってない、また野菜は調理の過程で濃度が下がる、という理由からはっきりとした基準は日本では設けていないようです。そこでEU基準値が比較参考としてあげられているわけですね。

ところで、東京都が過去に行った検査によるとチンゲン菜(青梗菜)で 16,000㎎/㎏という最高値があったそうです。1kgに16gも入っていたんですか?世界保健機構(WHO)は、硝酸塩の単独致死量を4gと定めているそうで、250gこのチンゲン菜食べたら死んでまうやん!という驚きの内容のがこちらのサイトに紹介してありました。(硝酸塩データに関しての詳しい記事があります、ご参考に)
(※ しかしあくまで硝酸としてのデータであり、調理等のなんらの手段も介さずダイレクトに硝酸塩を摂取したときの動物実験データとぼんちすとは推測しますが…)

硝酸塩の含有量を測定できるのが硝酸イオンメーターです。先端のセンサー部分に野菜などを搾って少量滴下するだけで直ちに数値が表示されます。

アクアポニックスでは 魚のフンが栄養になる仕組み で紹介したように、窒素循環の中で硝酸態窒素が発生し、ベッドの中の野菜が肥料として吸収していくわけですから、収穫した野菜の硝酸イオンの濃度が気になるところです。

一般的にアクアポニックスは化学肥料を使用しないオーガニックな栽培方法ということで、普段の収穫にさほど硝酸態窒素濃度の心配はいらないと思います。
しかし、EC値が高い、pH値が低すぎる、魚の数と作物のバランスが崩れていてフンが分解されていないのではないか、生育が悪いので有機肥料(窒素成分)を施してしまった、などの心配があった場合はメーターで測定してみるのが良いと思います。測定数値と上記EU基準値を比較して飼育水中の状況がつかめますし、今後の管理の目安にもなります。

使用方法はこのような感じになります。↓まず2000ppmに校正しておきます。測定したい野菜をすりつぶして、お茶パックなどで汁を漉し、ふたをして測定ボタンを押します。ああー?

4600ppm(=mg)/kgと表示されました。これはアクアポニックスで収穫した野菜ではなく、畑で収穫されたほうれん草の数値です。葉の色が濃く、なんとなく測定してみたい衝動に駆られたぼんちすとの勘は正しかった!

我が家では小さな畑で季節の野菜を作っており、家の者Bが主に耕作しておりますが、無農薬・無肥料栽培とか、有機栽培などはまったくやらず(興味が無く)、通常の化学肥料を使う慣行農法を行っております。

(NHKの「やさいの時間」が大好きですね(笑) あの番組のノリで肥料を土俵入りの塩みたいに撒いてますね)

ぼんちすと
EU基準超えとるやないけ!

このように嫌な予感がした野菜は測定する事をお薦めします。いただいた野菜が気になるとか、濃い色の葉野菜をスーパーで購入してしまった、などという時は数値を確認することで安心できます。

また野菜は茹でることで硝酸塩を減らす事ができますのであまり神経質にならなくても良いかと思います。ただし、記事の初めに書いたブルーベビー事件のように、乳幼児には硝酸塩の影響は大きいので疑わしい野菜は食べさせない方が安心です。

 

このように硝酸態窒素に関する記事をえらそーに書いておきながらやらかした出来事がこちらの記事です(笑) ↓
仰天!硝酸態窒素の検査で驚愕の数値?

 

硝酸態窒素に関する動画がありました!面白い!
日本テレビ 特命リサーチ200X 忍び寄る亜硝酸性窒素の恐怖

 

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