ぼんちすとのアクアポニックス 魚で野菜栽培 ぷちプレッパーブログ

アクアポニックス

トマトの葉の褐色化の経過観察と考察 2019

投稿日:2019-02-09 更新日:

冬の1号機 野菜ベッドのミニトマトの葉が変色する

1号機のミニトマトの葉の色がぁ~!

思わず赤文字で表したくなる危機的状況です。
思い起こせば1月初め頃から一部の葉に変色が見られ、半ば頃には全体的に広がって来ていました。そしてここ最近で一気に変色しました。

家の者A
そもそも冬にトマト栽培たくらむな!

ぼんちすとは寒さで葉が変色してきたとばかり思っていました。夏野菜を温度変化の激しい屋外でビニール一枚で囲っただけの環境は、そもそも自然に反しており、気温の影響が大きいのではと思っていました。

先月23日の時点の記事ではチッソ不足が疑われると考えました。同じ野菜ベッドの隅にある青梗菜の葉の色が全体的に黄色く、チッソ成分が届いていないのではないか?ならば天然トマト肥料(リン7:チッソ3:カリ4)を与えて青梗菜にはチッソ、青い実の付いたミニトマトの株にはリンを与えよう!

と、単純に考えたのですが、本日この肥料を与えたのは意味のないことだったと判明しました!
このトマトの葉の変色の原因を探る上で、

ぼんちすと
はっ!テトラテスト6in1で検査すれば何が過剰で何が不足がわかるのでは?

という当たり前の手段を思い出し、本日あわててテストして結果がわかったからです。

家の者A
なぜもっと早くに気がつかなかった!たしか自分で水質のチェックは週1回!と言ってたよな

お、お恥ずかしい…

テトラテスト6in1で水質検査してわかったこと

飼育水の水質を測れば、硝酸塩NO3 ̄(チッソ成分)、KH(溶液のアルカリ度)、GH(カルシウム、マグネシウムの濃度)のおおよその値がわかります。さっそく1号機の飼育水をテストしてみると…チッソ成分(硝酸塩)があああーっ! 過多です!!

魚のフンから微生物が作り出す栄養分(人間の食事で言うところのご飯に相当)が多すぎで、ベッドの野菜が消費してもしても、まだ有り余っている状態。
ならば先月チッソが足りないからと肥料を施したのは間違っていたわけです。あの時このテストをしていたら良かったのですが、忘れてました!

そしてKH(炭酸塩硬度)の数値が0~3゜という値から、飼育水中の酸性化を阻止する炭酸水素塩、炭酸塩の濃度が低下していることがわかりました。

 

KH(炭酸塩硬度)とは何ですの?

【KH 炭酸塩硬度】 水中の炭酸水素塩、炭酸塩のイオン濃度の数値。数値が高くなるとアルカリ性に、低くなると酸性に傾く。pHとKHの値は密接に関係する。
炭酸水素塩 炭酸塩が水中に十分あると、微生物活動(酸性化)から発生した水素イオン(H+)が結びつくので、水槽内の急激な酸性化(pHの変化)を防ぐ事ができる。時間の経過でイオン濃度は下がってゆくので対処が必要。3~10°dH  (60~140mg/L )

魚のフンが大量で、分解する微生物の活動(硝化)が活発(大量)になれば、分解の過程で発生した水素イオン(H+)が飼育水中にある炭酸水素塩、炭酸塩と結びつき、やがて炭酸水素塩、炭酸塩を使い切って飼育水が酸性に傾くとあります。

どうりで先月pHが5.8だったぁ~!
このままうっかりメンテナンスを忘れていたら、急激なpH低下を引き起こして魚が全滅していたかもしれません。水素イオン(H+)を処理してくれる炭酸水素塩、炭酸塩が無くなってきていたということです。

ぼんちすと
ありがたや~炭酸水素塩、炭酸塩!よく知らんけど…

※水中にあった炭酸塩、炭酸水素塩(弱アルカリ性)がフンの処理中に発生した水素イオンと結びついて炭酸になって使われてしまい、飼育水が酸性に傾いてゆく。その状態を数値化して調べるのがKH(炭酸塩硬度)というテスト。

硝酸塩とKHの項目の数値が注意レベルになっていたのはこれで理解出来ました!

変色の原因を推測する

pHが下がってきていた原因はわかったのですが、変色の原因にカルシウム、マグネシウムの不足という疑いは除いて良さそうです。

なぜならば、GHの数値は異常なしだったから!

GH(総硬度)は水中のカルシウム、マグネシウムイオンの数値です。これらの数値は正常です。しかし症状から調べてみてもマグネシウム不足っぽい…?

住友化学園芸のサイトで調べてみると、「葉が全体的に黄色くなるが葉脈の緑色は残る」のはマグネシウム不足とあります。馬居化成工業株式会社さんのサイトには以下のように記載されておりました。

トマト(マグネシウム欠乏症の対策)トマトの葉の葉脈間が黄色に変色してきた場合、マグネシウム欠乏症が疑われます。これは「クロロシス」と呼ばれる病気で、やがて枯死してしまいます。

クロロシスは白化と呼ばれ、葉緑素の生成が障害を受けて古い葉から順に白っぽい葉になってしまうことだそうです。黄白化とも呼ばれています。

またこのような記述も見かけました。
「マグネシウム欠乏症 下位葉あるいは果実成熟期に、その周辺の葉より葉脈間が黄化する」(タキイ種苗株 生理障害)
トマトの実が成り始めた周囲の葉から変色し始めたところは一致します。

クロロシスなんですかね?

うちのは黄化ではなくいきなり褐色化から始まっていますが…。しかし果実周辺の葉から変色は始まっています。ところが同じ野菜ベッド上の他の青梗菜やパセリなどは多少緑が薄いですが障害は見られません。トマトの株だけです。なのではっきりクロロシスなのかはわかりません。
しかし「欠乏すると葉脈間黄化症(トマト)等が発生」と他のサイトにもあり、トマトはこの症状が出やすいようです。

マグネシウムが不足するなら、他の元素も不足してきているのか?植物の成長には17種類の必須元素が必要です。

●多量要素 [植物からの要求が大きい多量一次要素]9元素

酸素・炭素・水素 → 大気中の二酸化炭素及び水分から

窒素・リン・カリウム(肥料の三要素) → 土壌や溶液から

      [植物からの要求が大きい多量二次要素]

カルシウム・硫黄・マグネシウム → 同じく土壌や溶液から

●微量要素 [植物の要求量が小さい微量要素]8元素

ホウ素・塩素・マンガン・鉄・亜鉛・銅・モリブデン・ニッケル

植物の成長にはたくさんの元素が必要で、長く同じ飼育水を足し水だけで循環させているだけでは栄養素に偏りが出てくるのは当然かと思います。今回の黄化は多量必須元素のひとつ、マグネシウムの不足ということでしょうか?
しかしGH検査で不足は無かった…。

それとも複合的なミネラル不足が原因なのでしようか?

変色葉を取り除く

どうしていいかわからず、変色した葉を取り除いてみました。す、すると…!あれっ、キレイで健全な葉が下にある!

変色葉の下にはキレイな葉がありました。なんだ良かった、株は無事だった!
疑問が湧きました。

ネットで調べてやはり!の原因に 「トマト 寒さ」

Yahoo!知恵袋 「トマトの葉っぱが紫色になってきて困ってます
Google画像検索 「トマトの葉 寒さ

調べてみると同じような葉の変色がありました。そして、低温障害ではないか、とあります。2月、3月のトマトの葉が多いようです。

葉の変色を褐色と見るか、紫色と見るか。紫色で検索していたらもっと早く原因が推測出来ていたかもしれません。

たぶん、うちも低温障害かも。

1号機の野菜ベッドは軒下にあり、雨などは直接かからないのですが、ベッドの周囲を農業ビニールで囲っただけで、湿気は溜まらないよう天井は空いています。そこに虫除けネットが全体的に覆ってあるだけ。多分真冬の寒気が上からトマトの葉に当たっていたのでしょう。

家の者A
まさかの霜焼け疑惑?

変色した下の葉は無事だったことから寒さによる原因の可能性大です。一応天井部分にはバスタオルをかけて、湿気抜けと保温の対策はしていたのですが、寒気はキツかったようです。

対策しました

とりあえずこの1号機への対策としては、

●飼育水の水換え (飼育水中のチッソ分を薄める)
●魚のフンの供給を減らす (2号機へ6匹ほど移す)
●水温を18℃から16℃へ下げる (魚も微生物もあまり活発に活動しないように 冬ですし)
●ミネラル成分の補給 (天然ミネラル液の葉面散布&投入)
●卵の殻、サンゴ粒の投入 (炭酸塩、炭酸水素塩の供給)
●防寒をしっかりする (夜間のタオル倍増)

以上の対策をしてみました!オイカワは15cmサイズに成長しています。2年前は針子の様だったのに…よく育ったなぁおまえたち……。

結局、はじめに自分が感じていた寒さのせいでは…の予感が当たっていたのか?
プロが見たらすぐ原因判ると思うのですが、悲しいかな素人の分析と対策(汗)
手探りで栽培しております。

※ マンガ描きたかっただけです

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

-アクアポニックス

Copyright© ぼんちすとのアクアポニックス , 2024 All Rights Reserved.